中国語学習でも「1万時間の法則」は当てはまる?「質vs量」勉強に大切なのはどっち?

コラム

1万時間の法則――

それは、どんな分野でも1万時間程度練習を続ければその分野で“本物”になれるというもので、『天才!成功する人々の法則(原題:Outliers)』(著者:マルコム・グラッドウェル氏)という本の中で紹介され、大きな反響を呼んだ法則です。

なんでも、ある分野を極めた一流の人物・複数人を対象に、彼らが一流になるに至った経緯を調査し研究した結果、「1万時間」が成功への分岐点となることが判明したそうです。

そこで今回は、中国語学習でも「1万時間の法則」は当てはまるかどうか、「質vs量」勉強に大切なのはどっちかについて深掘りしていこうと思います。

一流を目指したいなら、「1万時間」は最低ライン

1万時間というと、ざっくりですが、毎日3時間なら10年、毎日1時間半なら20年、継続して努力をしなければならない計算になります。

なかなか大変ですよね。

しかし、厳しいことを言ってしまうと、一流を目指すなら「1万時間」は最低ラインだと思った方が良いでしょう。

ちなみに私は中国語では1万時間を軽く超えているのですが、一流だと胸を張って言えるレベルにはまだまだ到達出来ていないので、1万時間勉強したからと言って必ずしも一流になれるものではないと思っています。

例えばですが、毎日3時間野球の練習を10年続けたら誰でもイチロー選手のように活躍できるスーパープレイヤーになれるかというと難しいと思いますし、毎日1時間半ピアノの練習を20年続けたらモーツァルトのように後世に残る名曲の数々を生み出せるようになるかというと、それもほとんどの場合は難しいということは想像できるのではないでしょうか。

ただ、“一流”“天才”とまでいかなくても、その能力を使ってご飯を食べていくレベルくらいまでなら、1万時間でいけるのかなと思います。

もちろん、1万時間に到達していない状態でも仕事を探すことは十分に可能ですし、活躍する場を見つけることもできるでしょう。

ですが、“一流”“天才”“成功者”と呼ばれる人達の中で、時間をかけずにそこまで上り詰めた人というのはいないということも覚えておくと良いと思います。

「僕の夢」

僕の夢は一流のプロ野球選手になることです。
そのためには中学、高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。

活躍できるようになるためには練習が必要です。
僕は三才の時から練習を始めています。
三才から七才では半年くらいやっていましたが、三年生の時から今までは三百六十五日中三百六十日は激しい練習をやっています。

だから、一週間中で友達と遊べる時間は五、六時間です。
そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球選手になると思います。
そして、その球団は中日ドラゴンズか、西武ライオンズです。
ドラフト一位で契約金は一億円以上が目標です。 僕が自信のあるのは投手か打撃です。

去年の夏、僕たちは全国大会に行きました。
そして、ほとんどの投手を見てきましたが自分が大会ナンバーワン選手と確信でき、打撃では県大会四試合のうちホームラン三本を打てました。
そして、全体を通した打率は五割八分三厘でした。 このように自分でも納得のいく成績でした。

そして、僕たちは一年間負け知らずで野球ができました。
だから、この調子でこれからもがんばります。
そして、僕が一流の選手になって試合に出られるようになったら、
お世話になった人に招待券を配って応援してもらうのも夢の一つです。
とにかく一番大きな夢は野球選手になることです。

鈴木一朗

これはイチロー選手が小学6年生の頃に書いた作文です。

有名な文章なので、ご存知の方も多いかも知れませんね。

何がすごいって、色々すごいのですが、個人的には「そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球選手になると思います。」という部分が一番刺さりました。

ある分野でその他大勢から抜け出したいのなら、先ずは圧倒的な練習量をこなす必要があるのだと改めて感じる文章です。

中国語勉強で大切なのは、質?それとも量?

「1万時間の法則」は分かるし、量が大切ということも理解できるけれど、それよりも質の方が重要なのでは?というご意見もあるかと思います。

確かに、質も重要です。

ですが、中国語を自由自在に操れるレベルに達するには、やはり量(勉強時間)が必須となってくるので、質と量のどちらが大切かと言うと、個人的には量がより大切ではないかと思います。

極端な話になりますが、週1で毎回1時間の中国語のレッスンを受けている人と、独学でも毎日2時間中国語の勉強をしている人では、圧倒的に後者の方が伸びるのが速いものです。

ですが、社会人の方なら普段お仕事がありますし、学生さんなら学校に行かなければならないですし、主婦(主夫)の方ならお家のことで毎日忙しいですし…時間を確保するのって、かなり大変ですよね。

量をこなすために必要なもの→努力すること自体を楽しむ

よほど志の高い人でない限り、辛い勉強を継続してこなしていくのはしんどいと思います。

私自身、自分に甘い方なので、「勉強しなきゃ」という気持ちですと全然続きません。

では、なぜ私のような、どちらかと言うとすぐにだらけてしまう人間が、中国語の勉強を1万時間以上継続できているのでしょうか。

その理由は、「勉強」というよりも「中国語に触れる時間を楽しむ」ようにしてきたからだと思います。

楽しいことなら、自然とやりたくなりますよね。

私は、アニメやドラマを観るのが好きなので、中国語の勉強でも映像学習を取り入れました。

おススメの映像学習方法をここでご紹介すると長くなってしまうので、別記事であげたいと思いますが、アニメ好きな方ならアニメから、映画好きなら映画から、本が好きなら本から、音楽が好きなら音楽から、歴史好きなら歴史から、最新テクノロジーに興味がある方なら最新テクノロジーの分野から…と、まずはご自分が好きなものを使って勉強をしていくのが良いと思います。

机に向かって、中国語のテキストを読み込むことだけが勉強ではありません。

先ずは楽しみながら継続できることを見つけ、中国語に触れる環境が当たり前にある状態まで習慣化していくようにしていくことが、中国語上達のコツだと思います。

量をこなしながらも、質を上げていく

量をこなし、中国語に触れる環境が当たり前にある状態までもっていけたら、次に勉強の「質」を上げていくことを考えると、より良いでしょう。

好きなことばかりやっていると、どうしてもボキャブラリが偏ってしまったり、慣れてきて頭をあまり使わなくなってきます。

勉強の質の上げ方は、人によって異なると思いますが、たまにはあえて自分が苦手だなと思う分野に挑戦してみることもおススメです。

例えば、アニメやドラマなら大体聴きとれるようになってきたよという方でしたら、次はニュースに挑戦してみると良いでしょう。最初は、政治・経済はとっつきにくいし大変!と感じるかも知れませんが、確実に幅は広がりますし、実力アップを狙えます。

また、ずっと独学で続けてきた方であれば、インプットに偏っている可能性が高いため、次のステージではアウトプットをすることにコミットしてみるのもおススメです。スクールに通うのも良いですし、オンラインでネイティブスピーカーと会話をするのも良いと思いますし、思い切って中国へ旅行へ行ってみるのも良いでしょう。

一番重要なのは継続することなので、先ずは楽しく継続することを優先してOKですが、マンネリ化してきたら普段やらないことに挑戦すると、レベルアップに繋がります。

レベルアップし、自分でも中国語が伸びてきたことが実感できるにようになると、それがまた勉強を続けるモチベーションに繋がり好循環が生まれるので良いことだらけですね。

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